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自転車メッセンジャーやってます

読書感想文:「日本で働くのは本当に損なのか」(PHPビジネス新書)

 

日本で働くのは本当に損なのか (PHPビジネス新書)

日本で働くのは本当に損なのか (PHPビジネス新書)

 

 これ。

 

凄い名著でした。こんなに興味をそそられる本もありません。

 

こういう本の感想文を書くなら自分が何者なのかを表明しないといけないと思うんですが、

ぼくは4年制大学を卒業後一般企業に就職し、2年ほど山梨にいた後1年ほど千葉に移り、会社を辞めメッセンジャーに転職しています。会社員時代は上司に恵まれない(部分と自分も当時は若すぎて周りが見えてなかった)ためうまくいかずにドロップアウトって感じ。

 

で、この記事(なんかみんな疲れすぎじゃないかと思う - @kanibeam_com)に書いたとおりやっぱり自分以外にも会社員として働いている人はどうにも疲れた感じがしている。

 

メッセンジャーとしてお客さんと接する時間なんて伝票を書いている間の20秒くらい、または荷物を受け渡すだけならハンコ貰って終わりなので5秒くらい。

 

その間のたった3秒、いや1秒だけでも優しさを人に分けてあげられるだけの精神的な余力が無いんだろう。

 

一方、欧米ではワークライフバランスを重視してみんなのんびり働いているように見える。(読書感想文:日本が世界一「貧しい」国である件について - @kanibeam_com

 

「日本人はダラダラと長時間働いて残業するのが美徳とされているから単位時間あたりの生産性が悪いんだ」という話は散見されるけど、

 

(たとえばこの記事)

jin115.com

 

人間の集中力なんか限られているのだから「集中すべき時間とそうでない時間がはっきりしている」だけでは説明がつかないような気もする。 と思っていたところにこの本の存在を知ったので読んでみた。

 

と言ってたらまさに集中力が切れたので一旦切ります(9.19 7:30)

また後で書く。

ーーーーー

本著では「欧米の『ワークライフバランス』の概念は嘘ではないけど、それができるのは低所得な人だけだよ」と欧米の労働ホワイトすぎ神話を否定している。

 

ワークライフバランスを実現できるのはせいぜいが年収400万くらいの中低所得者。しかもアチラは職務主義が日本に比べても徹底されているので、マネジメント等のポストが限られていて日本のように「働いてさえいれば順々にステップアップしていって50代になるころには年収600〜1000万ぐらい」とは絶対にならない。60代でも年収400万。

 

しかもポストが限られているということは日本のように部下の能力を上げることが自分の昇進に繋がるわけでもないので、部下を育てることに合理性や意味が感じられない。むしろなまじ部下に能力がつくと自分のポストが脅かされるということもあるので部下を育てることは欧米ではないのだそう。

 

向こうで高いポストに就いて30代から年収1000万を稼ぎだす人は日本の労働者と比べてもエライ働くので、ベビーシッターを雇うのだ。夫婦揃って赤ちゃんを見ている暇が無いということだ。

 

対して日本では何も知らない新入社員を青田刈りして社内で育てる風土ができている。社内で部署を転々とすることがあるのもそのおかげ。人にはその「人の能力」に対して給与がついてくるというのが日本風の考え方だ。「経理能力のある営業マン」と「営業しかできない営業マン」は日本では給与が違って当たり前だけど、欧米では「同じ仕事してるならその人がどうあれ給与はいっしょ」なのだ。

 

ということを読むと、なるほど日本の労働がいかに

「全員で踏ん張ってガッツリ残業する」

「部下と上司は良好な関係を築きたがり(うまくいってないケースも多いわけだけど)、『ノミニュケーション』と称して腹を割って話したがる」

「部下はそんなパワフル上司に付き合わされ一緒に残業し定時後も付き合って飲みに連れて行かれる」

という日本型のネガティブな風土も見方を変えればそんなに悪いもんでもないのかもしれないと思う。とにかく言われたことを頑張って上司と良い関係を築く努力さえしていれば結果として遅かれ早かれ収入はくっついてくるのだ。それなりの企業に入りさえすれば30代で年収500万、40代で600万以上を稼ぐことがそう難しくないというのは嬉しいことだ。

 

これ以上あれこれ書くと本を読む意味がなくなってしまう(あと読んで内容を理解することはできてもそれを人に伝えるだけの文章にする能力がおれに足りてない)のであとは本を読もう!となるのだけど、これはほんとにオススメ。

 

会社員になる前にこれを読んでたら社内での身の振り方も違っただろうし、メッセンジャーとして活動する中で出会う会社員の方がことごとく疲れ切って余裕が無い理由のうちある部分はよくわかったようにも思うし、「じゃあ自分の今後を考えた時にこういう構造の中でどうしようか?」というのを凄く意識するようになった。

 

さて、じゃあどうしようかな。