@kanibeam_jp

自転車メッセンジャーやってます

【超今更】「ピスト乗りって何でハンドル超切るの?アホなの?」という疑問にお答えします。

えーーーーー、多分10年位前からロード乗りとピスト乗りの間にあった溝を今更埋めるお手伝いをします。
 
あ、この場でのピストは競輪用トラックバイクではなく(競輪フレームを使った)街乗りピストバイク、とりわけメッセンジャーの使っているものを指すとします。
 
で、前提として認識して頂きたいのが「ロードバイクとメッセンジャーの乗るチャリは理想とするポジションが違う」ってことです。
 
そもそも、走行するシチュエーションが違うんです。ロードレースではスタートからゴールまで一度も止まらず100kmなりを3時間とか?走るわけですが、メッセンジャー業務は短距離ダッシュを何十本と繰り返して1日の仕事になるわけです。また、走る場所というかロケーションに関しても周りも自転車に乗り慣れたロードレースのコースと違い、街を走るメッセンジャーはほんとに色んなことを気にしないといけないのです。歩行者は飛び出してくるし、自動車は幅寄せしてくるし信号待ちの車はすり抜けないといけない。走るところも平坦なコースだけではなく登坂、下り、とさまざま。信号待ちも頻繁にあるのでどれだけ飛ばしてもどこかで必ず引っ掛かる信号があり、脚の速さは重要度で言えば2番めくらいです(一番大事なのは要領の良さ)。
 
そのため、メッセンジャーの乗るバイクに求められる性能は「加減速とすり抜けがしやすく、長時間乗っても疲れづらく、状態が起きていて視界が開けており、必要なときに力を籠めて踏み出せる」バイクです。ちなみに走行以外の部分だと壊れにくさとか。ロードバイクの場合は長時間の走行でもスピードが安定して出せ力を溜めながら集団に付いて行き、最後にズバッと加速できるバイクがいいバイクだということですよね。
 
ということでロードバイクに乗っている皆さんにはちょっと試していただきたいのですが、ステム付近のライトとかサイコンとかを取っ外してステム脇、拳をステムにピッタリ付けるか各2cmくらい離すぐらいで握って走ってみてください。肩幅より狭いところに拳を並べるのがコツです。
 
これが意外と力が入るんです。腹筋が固まるっていうのかな。おそらく肩幅より狭いところで握っているから脇が締まっているのもあると思うのですが、スポーツバイクに不慣れな人でも結構しっかりとした出力を出せる気がします。また、ハンドルのフラット部分を握るとブラケットを握るのに比べて前傾も浅くなり、比較的ママチャリに近いポジションになります。上体が起きて視界が広いため安全を確保しやすく、肉体的な負担も深いポジションで走り回るよりは多少楽になります。
 
また、Yahoo!知恵袋などでは「肩幅より狭くする意味はあるのか?」という意見や疑問が散見されます。これまたロードバイク乗りの皆さんは今度信号待ちで見て欲しいのですが、スポーツバイクのハンドル位置は普通の乗用車のサイドミラーとほぼ同じ高さなんですよ。
 
信号待ちの車をすり抜けるにあたっては、ハンドルを狭くすることでサイドミラーとの接触を比較的回避しやすくなるため、より信号待ちで先頭に出やすくなります。ドロップ部やブルホーンの突き出しなど余計な障害物がないので安心して突っ込めるというのもりますね。
 
ということで、ピスト乗り(一部はクロスバイクやロードバイクでも)かつ街乗り重視の人が肩幅より狭いフラットバーやライザーバーを好むことは必ずしも非合理的というわけではないのです。ただ実際には、「ピストといったらコレっしょ」的にそこまで深く考えずハンドルを選んでいるメッセンジャーがほとんどだとは思いますが。
 
この記事が街乗りピスト乗りとロードバイク愛好家の皆さんの深い溝というか亀裂を埋めるお手伝いになることを願っております…